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576話

「ああ、これは梁栋のじじいが町から持ち帰ったものさ。自分で飲むつもりだったんだろうけど、あんな奴、飲ませるもんか。天明、これはあなたのために取っておいたのよ」紅梅おばさんは葉天明を見つめる目に、少し溺愛と愛着の色を滲ませていた。

葉天明は慌てて手を振った。「これは…いただくわけには…」

「何を遠慮することがあるの?ただのビールじゃない。あの人が飲めるなら、あなただって飲めるでしょ?」

「わかりました、ちょっと味見させてもらいます」

葉天明が一本開けると、濃厚な泡が湧き水のように溢れ出した。無駄にするのが嫌な彼はすぐに口で受け止めた。

「うん、確かに生ビールだ」葉天明は大きく一口飲み干...