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512話

これは大統領スイートルームだ。独立したバスルームは当然の設備で、広々としたリビング、バスタブ、ソファ、そしてキングサイズベッドが備わっている。部屋には控えめな香りが漂っていた。

楊桃が豪華スイートに宿泊するのは初めてで、その目には驚きと不安が浮かんでいた。

「天明、こんな部屋、一泊いくらするの?」楊桃は細い眉を寄せ、お金のことを心配し始めた。

「通常シーズンなら五百元くらいで、オフシーズンの特別価格でも二、三百元はするはずだよ。楊桃姉、心配しないで。僕はホテルの米酒サプライヤーだから、宿泊費は払わなくていいんだ」と葉天明は説明した。

「わかってるけど…でも…普段はどんな人たちがこういう...