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243話

叶天明は薬酒を受け取った。中に入れられた薬材は一つも見覚えがなかったが、赤く艶やかな色合いは、一目見るだけで精力増強のためのものだと分かった。

「楊桃姉さんの気持ち、ありがたく頂戴します」叶天明は薬酒を丁寧に袋に収めると、時間が来たので山を下りていった。

楊桃は叶天明の下山していく後ろ姿を見つめながら、胸の内がぽっかりと空いたような気持ちになった。

「あの子ったら、本当に厄介な存在ね」楊桃は唇を軽く噛みながら、顔中に恥じらいを浮かべた。

昨夜の光景が、まるで映画のように脳裏に何度も蘇ってくる。そのシーンを思い出すたびに、彼女の体は熱く火照ってしまうのだった。

……

臥龍村の学校の廃...