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216話

「あの李二栓という男は、取り柄といえば人に飯を奢って人間関係を弄ぶくらいでね」と紅梅おばさんは苦笑いした。「きっと村長から都会に米酒と葡萄酒の販路開拓を頼まれたのに、そいつはお金を持って上の連中に飯を奢りに行っただけなんだろうよ」

蔡淑珍の気分は一気に曇った。

「まぁ、それはいいわ。ほら、あなたの葉先生、酔いつぶれちゃって。ここで少し休ませて、あとで誰かに運んでもらうわ」と紅梅おばさんは目をきょろきょろさせながら慌てて言った。

蔡淑珍はテーブルに突っ伏した葉天明を名残惜しそうに見つめた。「わかったわ。じゃあ先に帰るね」

「道中気をつけてね。劉老二には近づかないように。あの爺さんもろくで...