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173話

「な……何でもないわ、たぶん紅花油が熱すぎただけよ、ちょっと熱くなっちゃって」蔡淑珍は慌てて顔をそむけ、叶天明を見る勇気が出なかった。

叶天明は大股で近づくと、直接彼女の熱くなった額に手を当て、驚いて声を上げた。「こんなに熱いなんて、十中八九熱を出しているぞ。村の王医者を呼んで診てもらおうか」

蔡淑珍は叶天明の体から漂う匂いを軽く嗅ぎ、不思議な熱の流れが彼女のある部分へと押し寄せてきた。

彼女は慌てて両足をきつく閉じ、その異様な感覚を必死に抑えようとしたが、抑えれば抑えるほどその感覚は強くなり、体全体が不思議と燃え上がるような感覚に包まれた。

「わ……私、大丈夫です、叶先生。先に戻りま...