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1285話

葉天明は表情を変えず、大きな手で掴むと、轟然と天を覆う火の幕が落下した。血妖の赤い爪が「ジリッ」と音を立て、彼女は悲鳴を上げて慌てて術を引っ込めたが、元々しなやかで妖艶だった爪は、すでに炎で焦げていた。

「あなた……火の術しか使えないの?」血妖は驚きと怒りが入り混じった様子で言った。葉天明は来る度に火術ばかり使い、最も初歩的な術法なのに彼女をこれほど手こずらせていた。

葉天明は苦笑いを浮かべて両手を広げ、困ったような顔で言った。「すみません、修行を始めたばかりで、基本的な術しか覚えていなくて」

「ふん、無駄口を叩くな。今日こそあなたの体内にある水霊珠は必ず手に入れるわ!」血妖は甲高い声で...