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1279話

「おいおいおい、イケメンなのは俺が悪いのか?」葉天明は無邪気に言った。

「そう、あなたって最悪!」ルナはプッと笑った。

葉天明は黙ったまま、艶やかな表情を浮かべるルナをじっと見つめた。

「私の顔に何かついてる?そんなに真剣に見つめて」ルナは少し拗ねたように言った。

「ああ、君は花みたいに美しいからな」

「もう、その口のうまさは人殺しだわ」ルナは顔を背け、澄んだ大きな瞳に一瞬の戸惑いと迷いが過った。彼女はグラスを手に取り一気に飲み干した。赤く染まった頬は熟した桜んぼのようで、酔わせるような色気を放っていた。

「ルナ、そろそろ帰ろうか」葉天明は壁に掛けられた時計を見た。もう夜の8時で、気づけば隣...