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1276話

「うん、わかった」葉天明は頷き、靴を履き替えた。ルナはハイヒールを脱ぎ、肌色のストッキングを履いた足が目に入る。赤いマニキュアを塗った小さな足が、いっそう魅力的に見えた。

葉天明は思わず唾を飲み込みながら、ゆっくりとソファに腰掛け、テレビのスイッチを入れた。

「冷蔵庫に飲み物があるから、遠慮しないで。飲みたいものは自分で取って。夜は下の階の火鍋店で食事しましょう。それがあなたへの私のお別れってことで」ルナはそう言いながら寝室へ向かった。部屋のドアは半開きのまま、中からはカサカサと衣擦れの音が聞こえてくる。

葉天明は振り返って部屋の方を見た。かろうじてルナの艶やかなシルエットが見える程度だ...