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1244話

丹念に探し回った結果、地下室の壁の隙間から十数キロの袋入り白い粉末が皆の目の前に現れた。

外では時折轟く雷鳴が響き、先ほどまでパラパラと降っていた小雨が、吹き始めた冷たい風と共に急に激しさを増した。蒸し暑かった空気も徐々に涼しくなり、まるでこの勝利を祝福しているかのようだった。

恐怖も抵抗もなく、この日がいつか来ることを覚悟していたかのようだった。この日が来る前の恐怖感は、実際に訪れた今日、跡形もなく消え去っていた。皆がまるで胸の内から重荷を下ろしたかのように、顔には不思議なほどの平静さが浮かんでいた。

この雨の夜、すでに夢の中にいる人々は、さっき起きたことに少しも気づかず、いつもと変わらぬ平...