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1192話

葉天明は意図を汲み取り、手の中の小さな装飾品を弄び続けた。

「天明」康成軒が葉天明の隣に座り、彼を見つめながら声をかけた。

「ん」葉天明は彼を一瞥もせず、無意識に返事をした。

葉天明の注意がまだ小さな装飾品に向けられているのを見て、康成軒は彼の手からそれをひったくった。やっと葉天明は顔を上げて彼を見た。

「天明、遊びは遊んだんだ。明日から本題に入ろうか?」康成軒は焦りを隠せない様子で尋ねた。

「何の本題だよ?」葉天明は彼が何を言おうとしているのか分かっていたが、わざと分からないふりをした。実は康成軒をやきもきさせたかっただけだった。

葉天明の言葉を聞いて、康成軒は思わず小さくため息...