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1127話

二大家族に関わる問題だけに、葉天明は確固たる証拠もなく憶測で動けば、処理を誤れば両家の矛先が自分に向くことは必至だった。風雲の中心に立たされ、行動が受け身になるのは避けたい。彼はそこまで愚かではなかった。

「凌鑫か?意外だな。お前の腹の内を見せてもらおうじゃないか」葉天明の心に一つの策が浮かんだ。

今回の蠱毒は以前のものとさして変わらないが、下視床に直接植え付けられているため、処置は前回よりもはるかに厄介だった。

幸い、依琳の体内の蠱毒は早期に発見され、症状はまだ初期段階にあった。葉天明は毎回少しずつしか治療せず、腹の内に計算があった。

完全に治してしまえば手掛かりが途切れる。凌鑫は期...