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110話

葉天明は心の中で落胆した。確かに一仕事したものの、最後までできなかったのだ。これでは何もしなかったのと何が違うのだろうか。

「叔母さん……」葉天明は言いかけて口ごもった。

紅梅おばさんは柔らかな胸元を軽く隠しながら、艶っぽく責めるように言った。「天明、あの劉老二は耳が異常に良いのよ。私たちがまた何か物音を立てて、彼に聞かれたら困るわ。もしあなたの梁栋おじさんの耳に入ったら、私はこれから……」

紅梅おばさんの言葉は途中で終わったが、葉天明は問題の深刻さを理解した。

彼は確かに自分の欲望のために、紅梅おばさんを危険な立場に置くべきではなかった。

「わかったよ、じゃあ先に帰るよ。この件はま...