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1030話

「あなたがいれば、私は幸せよ」楊桃は優しく微笑んだ。

二人は抱き合い、葉天明はさらに楊桃と三度交わった。翌朝になってようやく彼が帰ることになると、楊桃の眼差しには名残惜しさが滲んでいた。

「楊桃姉さん、なるべく週に一度は会いに来るよ。何か必要なものがあったら、遠慮なく言ってくれ!」

葉天明は楊桃に手を振って別れを告げ、バイクに跨って山を下っていった。

「天明、あなたが私に尽くしてくれるのは分かっているわ。でも許して、ずっとあなたに寄り添うことはできないの。あなたの世界で私は、どうしても片隅にしか立てない存在。それでも十分なの」楊桃は葉天明の去っていく背中を見つめながら、瞳に憧れと苦さを...