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71話

言真は少し戸惑いながら警備室に歩み寄り、テーブルの上に置かれた受話器を手に取った。

「もしもし?真真ですか?」

電流音と共に言真の耳に届いたのは男性の低い声色だった。言真はすぐに手を握りしめ、興奮した様子で尋ねた。「顧維琛?」

「元気?任務は危険じゃない?」

「ちゃんと食事は取れてる?」

次々と飛び出す質問に、顧維琛の胸は温かさで満たされた。こうして誰かに気にかけてもらえる感覚とはこういうものなのだと。

「真真」顧維琛の声には笑みが含まれていた。「僕は元気だよ、心配しないで。食べ物もあるし、お腹いっぱい食べられるから、安心して」

「自分のことはちゃんと気をつけるから、君も同じように、体に気をつ...