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39話

言真には力が必要だ。顧維琛はそう思いながら、一方の腕で恬恬を抱き、もう一方の手で言真の手を握って駅を出た。

二人の手のひらが触れ合い、言真は彼の手の荒いたこを感じた。軽く擦れるとくすぐったい。

言真の手を握る彼の手はやや硬く、動かす勇気もないようだった。言真は内心で笑った。どうやら顧維琛は今まであまり女性と関わってこなかったらしい。

生活に必要なものがまだ足りない。今日は顧維琛に時間があるうちに、言真はすべてを揃えるつもりだった。

鍋や茶碗、おたま、油や塩、醤油、酢、お茶、食器棚。家には食べ物もほとんどなく、米や野菜、肉、卵も買わなければならない。

幸い、団地の近くには市場があり、必...