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325話

「最初は彼女に騙されたのよ。どこかに案内しろって言われて、気を失わされて、それからは何も分からなくなったわ」

義姉がそう語る時、表情は穏やかだった。もう本当に気にしていないのかもしれない。

言真は杜姐がどんな経験をし、どんな心の道筋を辿ってこの道に進んだのか分からなかった。

ここの人々は皆、胸が痛くなるほど切なく、やるせない思いにさせられる。

「黒兄の体は弱くて、力仕事なんて全然できなかったの。当時、杜姐は妊娠してて、子供を生かすために、自分の子を他人に渡して、まとまったお金をもらったのよ」

「それから杜姐は村に女を連れてくるようになったわ。体に障害があって嫁をもらえない男たちに嫁が欲しいかっ...