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651話

「いつも笑顔でいてほしいわけじゃない」張娥を見つめながら劉旭は言った。「ただ、君の本当の素顔を見せてほしいんだ。武士だからといって、冷酷無情でなければならないわけじゃない。僕が思う最強の武士とはどんな人か知ってるか?それは、剣を抜かない時は普通の人と変わらず、相手の警戒心を最小限に抑える。しかし、いざ剣を抜けば、確実に相手の命を奪う者だ」

張娥が頷くのを見て、劉旭は続けた。「だから、ずっと無表情でいたら、任務に行かせても絶対にばれてしまう」

再び頷いた後、甘い笑顔を浮かべた張娥は言った。「ご主人様、わかりました」

「その笑顔、心からのものか?」

「もちろんですよ!」声色まで明るくなった...