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650話

この状況を見て、劉旭は本気で恐怖を覚えた。

こう言っても良いだろう。張娥という女性に対して、劉旭はずっと信頼できないという態度で接してきた。だから張娥が蛇のように震える軟刀をするりと抜いたのを見て、数秒間呆然とした後、劉旭はすぐに駆け寄った。

もし呆然としていなければ、劉旭はもう少し早く間に合ったかもしれない。

「やめろ！」

劉旭が声を上げた時には、軟刀を振り上げた張娥がすでに勢いよく飛び上がっていた。

許静はちょうどカメラのピントを合わせていて、何が起きているのか全く分からなかった。彼女はこの写真を撮り終えてから見るつもりだった。陳甜悠はポーズを取っていたが、いつもほとんど口を利かないこの女...