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173話

部屋のドアを勢いよく開け、電気をつけると、夏雪が頭を両手で抱えてベッドの端に座り、頭を振り続けていた。夏雪が耐えがたい頭痛に苦しんでいることを察した劉旭は、すぐに彼女の前まで駆け寄り、言った。「頭痛は一時的なものだから、ちょっと我慢すれば治まるよ。でも、めまいや吐き気があったら、必ず教えてね」

劉旭の声を聞いて、涙でいっぱいの目をした夏雪は顔を上げた。

ゆっくりと両手を下ろすと、夏雪は涙に彩られてより透き通った瞳で劉旭の顔をじっと見つめた。

夏雪の目に戸惑いの色が満ちているのを見て、さらに彼女がゆっくりと右手を伸ばして自分の顔を触ってきたとき、劉旭は固まってしまった。彼は夏雪のこの行動が...