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85話

三人は静かなレストランに食事に行った。小莫は二人を席に案内すると宿を探しに出て行った。ここは裕桐ではないから、少爺の身分を知る者はおらず、何もかも自分でやらなければならない。

レストランのテーブルには南城の郷土料理が並んでいた。やや淡白な味付けだったが、颜離はとても食欲旺盛な様子で、席に着いてからずっと箸を止めていなかった。

彼女は俯いたまま食べ物を口に運び、頬を膨らませていた。目は虚ろで、がつがつと食べてはいるものの、心ここにあらずといった様子だった。

向かいに座っている林凯はようやく箸を動かし、漬物の大根を一切れ茶碗に取り、しばらくして再び箸を置いた。顔を上げ、目の前の少女を見つめる...