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413話

許老爺子は手に持っていた箱を突然床に投げつけると、太師椅に座り込み、大きく息を切らせ始めた。

綺麗に包装された錦の箱が床に落ち、中から金の指が転がり出た。

それは親指で、純金で作られていることが一目で分かり、ずっしりとした重みがあった。

しかも極めて精巧な作りで、人間の指と見分けがつかないほどだった。

この指を見て、その場にいた全員の表情が思わず変わった。彼らの許家の人々への視線にも異様なものが混じり始めた。

なぜなら、誰もが知っていたからだ。許棟梁の右手の親指は存在しないということを。

若い頃、彼は五金工場で働いていたが、ある日仕事中の不注意で、親指が機械に巻き込まれて失ってしま...