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365話

その若い女性は楊昊の診断を聞いて、思わず一瞬固まった。

彼女は試しに尋ねた。「お医者さん、お薬は出さなくてもいいんですか?」

楊昊は答えた。「必要ありません。ここは漢方薬ばかりですし、出したとしてもお子さんは飲めないでしょう。ただ、寝るときに一元硬貨を枕の下に置いておけば、お子さんは夜中に驚いて目を覚ますことはなくなりますよ」

「そう……わかりました、試してみます」若い母親はそう言うと、子供を抱いて医館を後にした。

楊昊は母子が去ったのを見て、「次の方」と声をかけた。

「はい、来ました」三十代の男性が楊昊の診察台の前まで来て腰を下ろした。

男性がまだ何も言わないうちに、...