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630話

考えてみれば、恋愛のプロセスというのは、女の子が少しずつ自分を明け渡していく過程なんだよな。どんなに結婚を急いでいる女の子でも、矜持は必要で、心の中がどうであれ、表面上は頑なに抵抗を続ける。たとえその「占領」が彼女たち自身の望みであり、最終的な夢だとしてもね。

俺は自分のイメージを壊すつもりだったんだが、陸雨馨のあの恥じらいながらも凛とした態度を見ていると、特にあんな澄み切った月明かりの下では、心の琴線が確かに彼女に触れられた気がした。

俺にとってはまだ「愛」とは呼べないかもしれないが、彼女が可愛いと心から思ったのは事実だ。

こんな可愛い女の子を前にして、自分のイメージなんてどうでもいい...