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521話

生まれつき臆病で、大した世間を見てこなかった上に、こういう公式の場で話す機会が少なかったこともあるけれど、実は私の心にはもっと重い荷物があった。

団総支部にも学生会の幹部たちも、私を見る表情は平静で普通だったけれど、私には分かっていた。結局のところ、私はただの一年生に過ぎなくて、一度の勇気ある行動のおかげで、青天の霹靂のように団総支部の副書記兼学生会副主席に抜擢されただけなのだ。

彼らは表面上何も言わないけれど、心の中では私のことを成り上がり者だと思っているに違いない。

結局、あの勇気ある行動なんて、遭遇するかどうかは運次第で、私に特別な能力があるわけじゃない。もしここにいる誰かが同じ危...