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385話

「こう尋ねると、ハゲ頭が話す前に、痩せた男が仲間たちと一緒に壁の名簿を探し始めた。

ハゲ頭が私に尋ねた。「女性のことを聞いてるんだろ?」

「ええ」

「何歳くらいで、旦那はいるのか?」

「三十歳にはまだ達してないと思うけど、旦那はいるよ。どうしたの?」私は不思議に思って聞き返した。

ハゲ頭は少し微笑んだ。「恐らく名簿にはないだろうな。もし彼女が年配で、旦那が亡くなってたら、世帯主になっている可能性はある。ここの名簿はすべて世帯主を基準にしているからな。彼女の年齢で、しかも旦那がいるなら、間違いなく旦那が世帯主だ」

そのとき痩せた男が「おお」と声を上げ、何か新しい発見でもしたかのように私に尋ねた。...