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35話

私は、昨夜の省都での出来事を臨場感たっぷりに温如玉に説明した。

温如玉は食い入るように聞き入り、洗っていた皿さえ手から置いてしまった。

食事前に譚如燕に出会ったことまで、ありのままに彼女に話した。

話を聞き終えた温如玉は、眉間にしわを寄せた。

「どうしたの、お姉さん?」

「あなたが言ってた女の子、本当に陳霊均さんに取り成してほしいって頼んだの?」

「うん」

「引き受けたの?」

「まあ、あいまいな返事をしただけさ。あまりにも可哀想だったから、機会があれば絶対助けるって言っただけで」

温如玉は身を翻して残りの皿を洗い始めた。何か言いたいことがあるように見えたので、冗談めかして言った。「お姉さん、言...