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311話

私たちは学校の門前でバスを降り、譚如燕はそのまま教学棟の方向へ歩いていった。私は別荘に帰るふりをして、中をぐるりと回った。譚如燕がすでに寮か食堂に着いただろうと思われたとき、ようやく外へ向かって歩き出した。

さっきバス停を通った時、君もよく見たけれど、銭菲菲と周婷の姿は見当たらなかった。おそらくまだ下校していないのだろう。

バス停にほぼ着くというところで、バスはすでに私の脇を通り過ぎ、前方の停留所で止まった。

そのとき、突然銭菲菲が一人で、バスを待つ人々の中から現れ、直接バスへ向かって歩いていくのが見えた。

私は考えるまもなく、足を踏み出してバスに向かって走り出した。

銭菲菲がバスに...