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984話

「適当に資料を眺めてみたんだが、かなり詳しく書かれているな。ここ数年彼が経験したことまで、全て事細かに列挙されている。

どうやら、王有権がここまで生き延びてこられたのは、多少の取り柄があるからなんだろう」

「弟よ、兄貴の前では演技はいらないさ。この禁区内でこのカードを使える人間はお前だけだ。お前に全く実力がないなんて、俺は信じないね。兄貴の前でそんなに謙虚になることはない。この件は、俺たち二人の利益に関わることだ。もし俺が本当に飲み込まれたら、お前は俺より話しやすい協力者を見つけられるのか?それに、俺たちはお互いをある程度理解している仲だろう。新しい協力者を探すなら、また馴染むまで時間がかか...