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852話

「本当にスリリングだった、誰かに見つかるかもしれないという錯覚、まるで不倫現場を押さえられるような緊張感が、私をより一層興奮させた。お姉さんに服を着せて、彼女を抱えて小さな林から出た。道路に出たところで、小さな警備員が横から飛び出してきた。

「宋小伟」

大きく驚いて、抱えていた女性をもう少しで投げ出すところだった。

「劉警備員?!」

くそっ、なぜ彼女がここにいるんだ。他の場所に人を探しに行ったはずじゃないのか。なぜまだここにいて、しかもこんなにタイミングよく現れるんだ。まるでわざと私を待ち伏せしていたかのようだ。

「はい、お爺さまがあなたに用があるとのことで」

彼女はまっすぐ前を見...