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851話

「お兄さん」「旦那さま」

この二つのありふれた言葉が、彼女の口から発せられると、格別な味わいを帯びる。柔らかな語調に、まだ震えている声線。情熱の後の余韻を含んだその声は、この言葉を紡ぐ小さな唇を丸ごと飲み込みたくなるほどだった。

「うん、旦那さまはここにいるよ。今すぐ満足させてあげる!」

私は剣を構えるように腰を入れ、彼女の花芯へと一直線に突き進んだ。彼女の体が激しく痙攣し、そのまま絶頂に達した。

「さっきまで人がいたんじゃない?」

私もまさに射精しそうになったその時、外から突然話し声が聞こえてきた!

私の体がピタリと止まる!

これは慕容嫣然の声じゃないか?

しまった、夢中にな...