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806話

「止まれ!」

王保国が飛び出し、銃を構えて彼らと対峙した。基地のメンバー全員が後ろから飛び出し、双方の人間が私とジョンを取り囲んだ。緊張感が一触即発、火薬の匂いが濃すぎて息苦しいほどだった。

呼吸さえ困難になってきた。

私はジョンの頭を見つめながら、表情は平静を装っていたが、手の平は汗でびっしょりだった。あの時、白魏成に立ち向かうと決めた時でさえ、こんなに緊張しなかったのだ。

もし彼が逃げれば、今回の帰還後の昇進も名分が薄れるし、それに婉児と文晓蘭の安全も大きな問題として残る。

逃がさなければ、この手下たちは少なくとも二人を射殺してここに残すだろう。

どちらにせよ、私は損をする。

「ふふ、共倒...