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796話

「うーん、聞こえなかった」

それは一つの享楽だ。彼女の口からこの二つの言葉が零れ落ちるのを聞くこと。間違いなく一種の悦びだ。柔らかく、少し恥じらいを含んだ声色が、私の耳元で響く。興奮で全身の毛が逆立った。

「あなた……そんな風にしないで!」彼女は艶っぽく私を睨みながら、両手はとても自覚的に私のものを握り、上下に動かし始めた。さらに自分の体の愛液を手に取り、それに塗りつけて、その愚かしいものに潤滑を施した。

「もっと大きな声で言って。言ったら、旦那さんが満足させてあげるよ」

私は彼女の上に覆いかぶさり、全身がピンク色に染まった肌を見つめた。その白く透き通るような体が、今まさに私の下にある。た...