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778話

彼女は約翰を悪魔と形容した。誰も近づくことのできない悪魔。そんな悪魔に自分の娘を差し出しながらも、婉児の家族は黙って耐え、むしろ婉児に分別を持つよう諭すほどだった。

「だから、わかるでしょう?なぜ私がずっと彼女のそばにいるのか、なぜあなたに私たちを助けてほしいと頼んでいるのか」

それは底なしの暗黒地獄だった。誰かが手を差し伸べなければ、彼らは永遠にそこから抜け出せない。

「つまり、俺はお前たちの踏み台というわけか?」

今の自分の立場を表す言葉が思い浮かばない。私は片手で婉児の耳元に垂れた髪をかき上げ、もう片方の手で文暁蘭の肩を抱きながら、別荘のリビングに座り、思考に沈んだ。

約翰、文...