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751話

「いいえ、病院なんか行きたくないわ。男が、男が欲しいの、愛し合いたいの、すっごく、すっごく欲しい!」

彼女は桃色の舌で唇の端を一舐めし、赤く潤んだ唇はまるで蜂蜜を塗ったかのように水々しく輝き、甘い香りを漂わせていた。

「何が欲しいって?」

私の声は、何オクターブも高くなっていた。彼女は男が欲しいと言った、男?

私のこと?

この別荘の中に、今私以外の男がいるだろうか。彼女が今このタイミングで発作を起こして、私はどこへ行って男を見つければいいというのか?

「や、やめてください、お嬢さん、しっかりしてください」

私は彼女の頭を強く揺さぶり、半魔症の状態から目覚めさせようとした。だが、それは全く効果が...