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733話

「おい」

壁に寄りかかって考え事をしていると、入り口の二人のボディガードが近づいてきて、左右から私を取り囲み、ヘラヘラと笑い始めた。

周囲に警戒の目を向けると、誰一人として見当たらない。この二人の大男しかいなかった。

「兄弟、火ある?」左側の大男がタバコを一本取り出し、口にくわえたまま、かなりぎこちない口調で火を持っているかと尋ねてきた。私はすぐにポケットを探ると、ちょうどライターが入っていたので取り出し、彼のタバコに火を点けてやった。

彼は一気に深く煙を吸い込んだ。

「俺にもくれよ」

右側の男もタバコを持って近づいてきたので、私は素直に二人のタバコに火を点けてやった。お互いに取り留めのない会...