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718話

「あいつ、全然心配してないんだな」と俺は心の中でぼやいた。お爺さんが彼女の彼氏に何かするかもしれないのに、本当に図太い神経してるよ。

「何をブツブツ言ってる?」

老将軍は執務机の後ろから立ち上がり、俺の隣までやってきてソファに腰を下ろした。そして満足げに俺の体を眺め回して言った。「なかなかだな、若いの。この数日間の鍛錬、無駄じゃなかったようだ。お前のその体つき、この基地内でも太刀打ちできる男はほとんどいないぞ!」

老将軍のこの褒め言葉は、いきなり頭に降ってきて戸惑わせた。彼は感情に訴えたり、人の心を引き寄せたりして関係を維持するタイプでは全くない。こんな老将軍を目の当たりにして、正直驚い...