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527話

「これで更に気が焼けるよ……」

夕方に白叔母さんに約束したばかりだ。彼女を命の危険に陥れたあの悪女には二度と会わないと。それなのに翌朝、その女がもう会社に来ていた。秘書が周夫人が来ていると伝えてきたとき、一瞬誰のことか分からず、それから思い出した。

「お通しして」

正直、彼女とは一切関わりたくなかった。でも、昨日白叔母さんが言っていた。彼女は私との情事を撮った映像を持っているらしい。もしそれが周建国の手に、あるいは他の誰かの手に渡れば、私は本当に終わりだ。

「もう会ってくれないかと思ったわ」彼女は入ってくるなり、かつて私を誘惑していた時と同じ妖艶な笑みを浮かべた。一切の恥じらいもなく、隠す気も...