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497話

私が後ろから何度も呼びかけても、彼女は立ち止まらなかった。ただ小さなため息と、少し寂しげな後姿が残されただけだった。

彼女はどうしたんだろう?

施向南とうまくいっているのか?

何か言ってくれればいいのに!!

白おばさんと一緒に物件を見に行っている間も、私は白颖のことが頭から離れず、少し上の空だった。不動産会社の社長が白おばさんを連れて別荘の三階まで全て案内し終わっても、私はまだスマホを手に、白颖に電話をかけるべきか考えていた。

彼女が何か馬鹿なことをしないか心配だった。最近は彼女に構う余裕がなかったけど、施向南の誘惑に負けて、あいつの罠にはまったりしないでほしい。

そうなったら面倒なこと...