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455話

艶やか、魅惑的、そして人の心を惑わす。

まるで一度食べたら病みつきになる何かのように、忘れられない存在。

「お前、俺に何か薬でも盛ったのか?」

彼女を抱き寄せ、エレベーターの壁に押し付けながら、耳元で囁いた。彼女はくすくすと笑い、小柄な体を揺らした。その二つの張りのある柔らかさが、胸の上下に合わせて私の体に絶え間なく擦れ、電流のようなしびれが後頭部にまで広がっていく。

髪の毛が一本一本立ち上がるのを感じた。

「あたしがあんたに薬を盛りたいと思ったら、明日の太陽なんて絶対に見られないわよ、信じる?」

「信じるよ」

本当に信じていた。彼女が私に明日の太陽を見せたくないと思えば、とっくに死んでいただ...