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360話

「さっき、母さんが言ってたこと、全部聞こえてた」

彼女の声は、低く、沈んでいて、いつもと少し違っていたが、特別に心地よく聞こえた。こんな声でベッドで鳴かれたら、それこそ最高だろうな。

私は際限なく不埒なことを考えながら、反応が遅れて、ただ間抜けに答えるしかなかった。「えっ?」

さっき白おばさんは色々なことを話していたが、彼女が言っているのは一体どれのことだろう?

「もし、あなたが私と同じくらいの歳だったら、私のことを、好きになってくれたりする?」

白穎が振り向いて、澄んだ瞳が私の胸元を見つめていた。私の目を直視することができず、両手は白おばさんの布団をきつく握りしめていた。

「な、なに?」...