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322話

そして私は首を振り、浴用タオルをしっかりと締め直して、程暁年の部屋を出ようとした。

「あっ」

出だしから躓いた。

左足が程暁年の寝室のドアを越えた瞬間、小さな手が私の手を掴んだ。

「ほ、本当なの?」

程暁年の声が聞こえてきて、私は狂喜して急いで振り返り、俯いている彼女の小さな頭を見た。「何が本当かって?」

「恋人同士って、こういうことするの?」

「当たり前じゃないか。テレビ見ないの?テレビでもそういう風にやってるでしょ?」

冗談じゃない。恋人同士がイチャイチャしないなら、彼女を作って何になる?まるで先祖のように祀り上げて、毎日三本の線香を焚いて、果物を供えるみたいなことをするの...