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1406話

赵さんは自ら立ち上がり、私に席を譲ってくれた。座ったあと、私はゆっくりとお爺さんの耳元に近づいた。

「お爺さん、来ましたよ」

その言葉を聞いて、お爺さんは少し意識を取り戻したようで、徐々に目を開けた。

お爺さんの口が動き始め、何か言いたげだった。

私は急いで人工呼吸器をどかし、耳をお爺さんの口元に寄せて、聞き入った。

しかし、どれだけ聞き耳を立てても、お爺さんが何を言っているのか聞き取れなかった。

周りの人たちも近づこうとしたが、すぐ側にいる私でさえ聞き取れないのだから、彼らに聞こえるはずもない。

彼らは私の表情の変化から、私が何を聞いたのか分析しようとしていた。

「早く、紙と...