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1363話

私は手の水気を拭き取って、「どうした?俺に何か用か?」と尋ねた。

ジョンは微笑んだ。私が話を濁していることを知っていた。彼がここに来た目的は、私がもちろん百も承知のはずだと。

老人は今中で休んでいる。劉警備員がジョンを中に入れるはずがない。ジョンが中に入りたければ、私が連れて行くしかないのだ。

ドアの前まで来ると、私はそのまま座り込んだ。劉警備員にジョンを通す気はさらさらなかった。

中では趙さんがまだ老人と話をしている。私がジョンを入れるつもりがないのはもちろん、ジョンがここに来たのは何か企んでいるからだ。仮に入れたところで、結局は趙さんに叱られるだけだ。そんな馬鹿なことをするつもりは...