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1202話

「彼女の唇の端を噛んだまま、離さなかった。彼女は痛みに眉をきつく寄せ、両手を私の胸に当てて押しのけようとしたが、私はそうはさせなかった。

びくともしない。

「なんて呼んだ?」

本当に言うことを聞かない小娘だ。宋小伟なんて呼ぶなんて。以前は「お兄ちゃん」とか「旦那様」と呼んでいたのに、今回の再会ではこんなにも他人行儀で、いきなり名前で呼ぶのか?

腕の中の小さな存在を睨みつけながら、不満げにもう一度強く噛みついた。

「うぅ……血が出たわ!」

「素直じゃないから、お仕置きだ」

言うことを聞かない女は、罰を受けるべきなんだ。

「違うの……離して……呼ばない……んっあ……舌が……かき回さないで……吸わな...