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1096話

「前に婉儿の身体に見つけた追跡装置、それに国境で出会った警察署長、さらに私が禁区に行くとすぐにジョンも後を追ってきたこと...これらの痕跡からして、私たちの側にずっとジョンのスパイがいるということは明らかじゃないか?」

「それで劉俊杰を連れてきたというわけか?」

老人は私の行動にまだ賛同していないようだった。「わかっているのか?この件がどれだけ危険なことか。一度こういった事に関わったら、もう二度と抜け出せなくなる。お前の若い友人は、本当に覚悟ができているのか?」

なるほど、そういうことか。

私の動きが一瞬止まった。劉俊杰の家は代々商売をしてきた家系で、彼自身も安逸な生活を好む性格だ。彼...