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1084話

「ちくしょう、幽霊でも見たのか?」

私はこれまで幽霊なんて存在するはずがないと思ってきたが、もし本当に幽霊がいないなら、普通の人間が、こんな時間に俺みたいに道をふらふらと歩き回るだろうか?

朦朧とした酔いが、一気に吹き飛んだ!

「まさか!」

本当に何か不浄なものがいるんじゃないのか?

この山には別荘が数軒あるだけで、当初はここの静けさに惹かれて購入したんだが、今思えば、人の気配もなく、少し薄気味悪いな!

「急いで、山を下りよう!」

私はぎくりとして、後ろを振り返ったが、結局何も見えず、ただ山風が一陣また一陣と吹き抜けていき、背筋が寒くなるだけだった!

私は足早に山を下り始めた!

「くそったれ、...