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996話

最前線の兵士は辺境に、最重要な研究は内陸に。

金承灿が口を開けば西北軍のことばかり。それは李家を通じて華夏軍の核心機密を手に入れようとしているに違いない。

それは李庆峰が絶対に受け入れられないことだ。彼にはその権利すらない。

もし李家が会議を開き、李婧妍と西北軍事資料のどちらが重要かを議論するなら、李庆峰は確信していた。彼の可哀想な娘は間違いなく見捨てられるだろう。

国防に関わる大事だ。李家どころか、華夏のどんな名家でも、この件で間違いを犯す勇気はない。

だからこそ彼は咄嗟にテーブルを叩いて立ち上がり、目を見開いて金承灿を睨みつけたのだ。

李庆峰のこの態度は、金承灿の予...