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949話

「フフフ、では許兄貴の邪魔はこれ以上しないでおくよ。私にはまだやることがあるから、先に失礼するよ」

許兄貴に何かをさせるよう説得した後、目的を達成した李延がこれ以上署に留まるわけがなかった。彼は許兄貴と運命を共にすると言ったものの、一緒に罪を背負うほど愚かではない。今は自分が関与していないという証拠を作らなければならないのだ。

それは彼にとって難しいことではなかった。罪を擦り付けることなら誰よりも手慣れていたのだから。

例えば、許兄貴の親族を見つけて、その人物に麻薬を仕込む。

そうすれば、たとえ楊家が何かを突き止めたとしても、彼らが辿り着けるのは許兄貴のある親族が密輸や麻薬取引をしてい...