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780話

本来なら七時前に到着するはずだった便が、あの頓馬な男女のせいで、蘇北で丸々三十分も足止めを喰らい、結局着陸したのは八時近くになっていた。

張舒婉は最後の一人として機内扉に辿り着いた。そこに立ち、無意識に人混みを見渡すと、ある男の後ろ姿が目に入った。

楊動の体つきは実のところ痩せ型で、遠目には少し女性的にさえ見える。

その背中を見ていると、張舒婉は突然、この男はもしかしたら想像していたほど憎たらしくないのかもしれないと思った。

もちろん、彼がいい人間だというわけでもない。でも全く救いようがないわけでもなく、もし自分がきちんと躾けてやれば、自分を敬う紳士になる可能性もあるかもしれな...