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717話

小董の辞職に対して、林映冰は引き止めようとはしなかった。

彼女は引き出しからカードを取り出し、テーブルの上に置いた。「あなたが会社にいた間、大きな貢献をしてくれたわ。辞めると決めたのなら、私も引き止めるつもりはないわ。これは八十万よ、受け取って。今後何か困ったことがあれば、いつでも私を頼っていいから」

八十万?

小董は突然、強子のことを思い出し、苦笑いしながら首を振った。「結構です。ありがとうございます、林社長」

小董は林映冰に深々と一礼すると、足早にオフィスを出た。

秘書室のメンバーたちの驚いた視線の中、小董は自分の荷物を段ボール箱に詰め込むと、まるで逃げるようにエレベーターに駆け...